不整脈症状

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不整脈の症状 とはどういうもの? こんな症状の自覚があれば不整脈かも?

公開日
更新日

 
執筆:片山 陽子(看護師、保健師)
 
 
健康診断で「不整脈」を指摘されたことがありませんか? 不整脈はあったが、お医者さんに気にしなくてもいいと言われた人もいらっしゃるのではないでしょうか?不整脈とは一体どういう状態でしょうか?この記事では、「 不整脈の症状 」とはどのようなものなのか?不整脈を健康診断で指摘された時、何に留意すべきなのか?などについて説明します。
 
 

どんな自覚症状がある?

 
不整脈は自覚症状のないケースが多いです病気ですが、自覚症状がある場合はその症状は様々です。
 
不整脈が起こると、心臓が十分な血液を全身に送ることが出来なくなり、結果として、速い脈や遅い脈など心臓の拍動がいつもと違うことから起こる不快感が生じます。この不快症状のことを指すのが、いわゆる「動悸」で、不整脈の主要な自覚症状です。
 
不整脈の様々な自覚症状を以下に説明しましょう。
 
 

めまい

脈が遅いこと、あるいは心臓の拍動が早すぎて心臓からの血液の排出が十分に出来ない場合に起こります。
 
 

動悸

前述したように、脈が速くなることに伴って起こる自覚症状です。また正常な拍動でない場合に見られる「ドキッ」「ドクン」といった一瞬の動悸もあります。
 
 

胸部不快

胸のあたりに不快感があります。正常な拍動をしない心臓に対して感じます。
 
 

息切れ

安静時や少し体を動かしただけで起こる息切れです。全身を流れる血液の量が不足し、細胞が必要な酸素の量が少なくなっているために起こります。
 
心臓の拍動が遅い事や心臓が速く動きすぎ一度に全身に送る血液の量が極端に少なくなることから、体を動かすために必要な酸素が不足します。そのため、酸素を取り込もうと呼吸数が、多くなります。
 
 

倦怠感

息切れと同じです。全身を流れる血液の量が、不足しているためにおこります。体を動かすために必要な酸素の量が、不足しているのです。
 
 

失神

心臓に流れる電気刺激が多すぎて心臓が痙攣をおこし、心臓から全身に血液を全く送り出せなくなってしまった時に起こります。
 
 

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「あまり気にしなくてもいい場合」と「注意すべき場合」

 
不整脈は心電図検査にて診断されます。毎年健診等で心電図検査を受けていると時々自覚症状もないのに不整脈が出ていることがあります。そのような自覚症状の全くない単発の不整脈は特に問題はないと考えられます。
 
 

あまり気にしなくてもいい不整脈

不整脈は通常とは違う心臓の電流の流れによって起こります。心臓は365日24時間私たちが生きている限り休むことはありません。心臓は、休まず動き続けるため、時々単発で不具合を起こすこともあります。このような不整脈は、病気ではありません。年齢があがると、不整脈は出現しやすくなります。
 
例)職場の健診で不整脈だって言われた
 
毎年受ける職場の健診にはもちろん心電図検査もあります。
その心電図検査で不整脈だと言われてしまったA美さん、40歳。しかし、自覚症状は全くありません。親も元気です。健診に来ていた内科の先生にも「特に気にしなくて大丈夫ですよ」と言われました。でも、本当に大丈夫なのでしょうか?
 
このようなA美さんの場合、問題はありません。
もし、疲れやすくなったとか、階段を1階分上がっただけで息切れがするとかそんな自覚症状があれば、すぐに近くの内科に受診した方がよいかもしれませんが、自覚症状がない場合は余り気にする必要はないでしょう。
 
 

注意すべき不整脈

一方、前述した、動悸、めまい、息切れ、倦怠感等、自覚症状の伴う場合の不整脈は治療が必要です。自覚症状のある場合には必ず循環器内科を受診しましょう。
 
 

不整脈の検査とは

 
前述したように、不整脈かどうかは、心電図検査によって判断をします。しかし、受診時に不整脈が起こることは稀なことです。そこで、有害な不整脈の可能性があると医師が判断した場合、24時間のホルター心電図検査をすることがあります。
 
ホルター心電図は、24時間連続して心電図を記録する機械を装着しています。ホルター心電図は医療機関で装着し帰宅後、翌日にホルター心電計を医療機関に返却します。装着したまま受診する医療機関もあれば、24時間経過した後外して機器だけ返却するところもあると思います。
 
また、ホルター心電図を装着している時でも、通常の仕事や軽いスポーツは楽しむことが出来ます。最近では機器により入浴も出来るものもありますが、多くの場合入浴は出来ません。
 
 

不整脈の治療法

 
不整脈の治療には4種類ほどあります。治療が必要であると判断された場合には、適切な治療を受けることで不整脈は治ります。
 
 

薬物治療

数種類の抗不整脈薬の中から選択して使用します。抗不整脈薬は心臓の興奮を抑えるものや逆に心臓の興奮を促すものなどがあります。抗不整脈薬には様々な副作用もあり、その使用は慎重に決定されます。
 
 

電気ショック

外部からの強い電流を流し、心臓を感電させることで不整脈の元となっている異常な電気興奮や電流の流れを吹き飛ばします。生命の危機があるような一刻を争うような状態の時に使います。最近はテーマパークなどにもAED(自動体外式除細動器)が設置され、突然の心停止や不整脈で意識のない人の電気ショックがどこでも行えるようになってきました。
 
 

カテーテルアブレーション

カテーテルを血管内に挿入し不整脈の原因となっている心筋の部位にカテーテルを使って高周波により加熱し、ピンポイントに壊死させます。不整脈をもとから治す治療です。
 
 

植込み型除細動器

心室細動が起こる可能性の高い人にあらかじめ電気ショックを流す除細動器をあらかじめ体内に埋め込んでおきます。機械は胸の皮膚の下に挿入します。現在では植込み型除細動器も小さく軽量化されました。植込み型除細動器は常に心臓の拍動を観察し、異常に速い心臓の拍動になった場合に電気ショックや速い脈を通常の脈の速さに戻すような電流を流します。
 
 

追記:致死性不整脈について

 
2017年2月8日に亡くなられた「私立恵比寿中学」のメンバー松野莉奈さんの死因が「致死性不整脈」の疑いがある旨所属事務所から発表がありました。(2017年2月10日)
 
致死性不整脈は、心臓が電気的な問題のため脈拍が極めて速くなり、血液を体内に循環させる事が出来なくなった状態です。治療を行わずこの状態を続けると、数分で死亡します。事前に脈拍の異常を感じる方もいますが、多くの場合、異常に気付き助けを求めようとする前に失神してしまう事が多いようです。
致死性不整脈になりやすい人は、心臓の病気(心筋梗塞、心不全等)を患っている方、過去に突然心停止を起こした経験のある方ですが、遺伝的な要素も指摘されています。
致死性不整脈については、植え込み型除細動器を使用し、脈拍を正常に戻すことで突然死を防ぐことができます。
 
18歳という若さで亡くなられた松野莉奈さんのご冥福を謹んでお祈り申し上げます。
 
 

「 不整脈の症状 」 まとめ

 
不整脈は自覚症状のない場合は特に問題のない不整脈であることが多いです。
しかし、めまい、動悸、胸部不快、息切れ、倦怠感、失神など自覚症状のある不整脈の場合には、必ず循環器内科を受診しましょう。
 
 

<執筆者プロフィール>
片山 陽子(かたやま・ようこ)
看護師・保健師の臨床経験後、看護学校と看護系大学にて教員として勤務。現在は2児の母であり、『K’sセラピールーム』スタッフとしての勤務に従事
 
 

オススメリンク

 
関連した情報として以下のようなものがありますので、ご参考にしてください。
 
「狭心症の症状 : 突然死もあり得る狭心症の症状を医師が詳しく解説」
 
「心筋梗塞の原因 とは? 心筋梗塞のリスクは生活習慣に潜んでいる?!」
 
「心筋梗塞の症状 とはどういうもの?心筋梗塞詳しい症状や予防法について」
 
「心筋梗塞の前兆 は? 心筋梗塞の症状やなりやすい状態、時間、季節など」
 
「動悸の原因 はなに? 動悸の様々な原因や関連する病気、予防法など」
 
なお、不整脈について医師が説明した以下の動画もご参考にしてください。

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